「多様性の尊重」と聞くと
皆さんはどのような光景を
思い浮かべるでしょうか?
例えば
外国籍の社員を
積極的に採用すること
女性管理職を増やすこと
障がい者雇用を推進することなどが
挙げられるかもしれません。
確かに
こうした取り組みは多様性を
促進するために重要です。
しかし
これらはあくまでも
「外面的な多様性」に過ぎません。
多様性を真に尊重し
活かすためには「内面の多様性」に
目を向けることが不可欠です。
本記事では
内面の多様性を
理解し
組織においてどのように
活かすべきかを
考えていきます。
表面的な多様性と内面的な多様性

内面
一般的に多様性というと
性別、国籍、年齢
障がいの有無といった
「見た目」で
断できる要素が
取り上げられがちです。
しかし
実際に組織において問題となるのは
「内面の違い」です。
例えば、
- 同じ国籍でも
価値観が異なると意見が対立する
- 同じ年齢でも
仕事に対する考え方が
違うとすれ違いが生じる
- 同じ職種でも
目指す方向性が違うと
協力が難しくなる
このように
表面的には
似たような人たちでも
内面の価値観や考え方が
違うことで対立が
起こるのです。
実例:
企業の価値観を揃えるための
ワークショップ

調剤薬局
以前、ある調剤薬局の経営層から
「社員の気持ちを一つにしたい」
という相談を受けました。
その企業の社長は
「単なる薬局ではなく
地域住民の健康を支える薬局にしたい」
という
高い理想を
掲げていました。
さらに
「ゆりかごから墓場まで」を支える存在に
なりたいという壮大なビジョンを持っていました。
しかし
私はこの理想を
実現する前に
「経営層の考えを一つにすることが
先決ではないか?」と
感じました。
なぜなら
トップ層の考え方がバラバラでは
社員が一丸となることは難しいからです。
そこで
経営層の3人に対して
「価値観ワーク」を実施しました。
価値観ワークとは?

価値観ワーク
このワークでは
100種類ほどの
価値観リストの中から
自分が最も大切にする
5つの価値観を
選んでもらいます。
例えば
- 冒険する
- 挑戦する
- 勇気を出す
- 前進する
- 観察する
など
さまざまな価値観が
並んでいます。
このワークを実施すると
参加者それぞれが異なる価値観を
持っていることが明確になります。
そして
全員が完全に同じ価値観を
持っていることはほぼありません。
今回のケースでも
3人の経営幹部はそれぞれ
異なる価値観を持っていました。
しかし
その中でも共通していたのは
「社会貢献」への強い思いでした。
このワークを通じて
お互いの価値観を知り
尊重し合うことができました。
その結果
組織としての一体感が生まれ
「企業理念」を明文化することができました。
内面の多様性を尊重することで組織は強くなる
多様性の尊重は
単に異なる背景を持つ人を
採用することではなく
お互いの価値観や
考え方を理解し
尊重することから始まります。
今回の企業では
価値観を共有することで経営層の結束が強まり
それが社員へと波及していきました。
多様性を尊重しながら
共通の目標に向かって進むことが
できる組織こそ
強い企業なのです。
まとめ

多様性
多様性の本質は
外面的な違いではなく
内面的な違いにこそあります。
- 「女性」「外国人」「障がい者」
といったカテゴリーではなく
「個人」として向き合うことが重要
- 表面的な違いよりも
価値観や考え方の違いを理解し
受け入れることが大切
- 価値観を共有することで
組織の結束力が高まり
持続可能な成長につながる
「多様性の尊重」は
外面的な違いだけでなく
内面の違いに目を向けることで
初めて真の力を発揮します。
組織の成長を
支えるために
あなたの職場でも
「内面的な多様性」に
目を向ける取り組みを
始めてみませんか?
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